Carboncureが
プレキャスト製品に初採用。
5.64トンのCO2を削減。
北海道開発局発注の仮設落石防護柵の基礎ブロックにCarbonCureが使用されました。
CarbonCureがプレキャスト製品に使用された事例は、これが初めてとなります。
この基礎ブロックへのCarbonCure採用によって、5.64トンのCO2が削減されました。
【工事概要】
工事名:一般国道232号 苫前町 力昼防災対策工事
工事場所:北海道苫前郡苫前町力昼
発注者:北海道開発局 留萌開発建設部
施工者:株式会社堀口組
用途と規模:仮設落石防護柵の基礎ブロック全長200mのうち100mに使用。
これまで株式会社堀口組では、国土交通省が推進するICT(i-construction)を活用した施工や、ハイブリッド建機の使用や太陽光発電による電力を使用した電光掲示板などの活用を積極的に取り入れ続けています。
現場所長の鈴木 勝実さんは、北海道開発局から「北海道インフラゼロカーボン試行工事」が発表されて以降、脱炭素社会に貢献できる「一歩進んだ取り組み」を模索していたところ、低炭素コンクリートCarbonCureを知り、採用を決めたと話します。
株式会社堀口組 現場所長 鈴木勝実さん
同社の堀口 哲志代表取締役社長はCarbonCureについて、「初めて話を聞いた時にはただCO2を取り込むだけだと思っていたが、CO2が鉱物化することによって強度が増すため、セメント使用量を減らせるという特徴を知り、会社として使ってみたいと感じた」と話しました。
株式会社堀口組 代表取締役社長 堀口 哲志さん
採用のためには、当然、品質的な問題をクリアすることが求められます。
通常のコンクリートよりも粗悪なものや、強度が確認できないものはもちろん現場で使用することができないため、出荷前の製品検査が必ず必要になります。
当社の深川工場から遠隔臨場での製品検査を行い、製品の強度に問題がないことを確認してからの納品となりました。
遠隔臨場の様子。画面上で数値などの確認ができるため、
現場に赴く時間を削減することが出来る。
現場には既にタテ2.0m×ヨコ2.0m×奥行1.25mの基礎ブロックが全部で400個並んでいました。今回納入された製品はそのうち136個で、その全てにCarbonCureのロゴがプリントされています。
道路沿いに並ぶ基礎ブロック。全て正面に製造工場である深川工場のスタンプと、
CarbonCureのスタンプが押されている。
鈴木所長はCarbonCureのメリットについて、CO2の削減はもちろん、工事評価の向上に繋がることを挙げ、自分の担当工事が新しい技術を率先して使用することで、同社が施工を行う他の工事でもCarbonCureを取り入れる環境づくりをしたいと話しました。
今回、CarbonCureを採用する際に得た資料や情報を社内に広げる事で、自社の工事全体でも採用するきっかけとなる事、更には同業他社、業界全体が脱炭素社会の形成に貢献していくように情報を拡げていきたいと話しています。
その一例として見せていただいたのが、工事現場内に設置している掲示板。
普段は現場での作業員はもちろん、発注者や現場見学に訪れた高校生など様々な人が目を留める場所です。
現場に設置された掲示板。現場作業者の他に訪れた発注者や現地の高校生なども目にする。
そこに、工事で用いているICT技術と並んでCarbonCureの情報が掲示されていました。
「技術が“分かる人”ではなく“分からない人”に対して理解しやすい表現にした。
ある日、工事関係者に『CarbonCureって具体的にどのくらいCO2削減するの?』と聞かれることがありました。よく分からない数字の羅列では無く、より分かりやすく!!という思いで頭を悩ませ試行錯誤し、『普通自動車で58,000km走行程度。地球1.5周分!!』という表現にした。」
「みんなが知らないことについては、教えてあげることが良いことだと思っている。費用面や品質面等デメリットは1つも無いと感じている。たかだか地方の一物件だが、今後どんどん拡がって脱炭素社会の形成に繋がって欲しいと思っている。」と語る。
■株式会社 堀口組について
北海道留萌市に本社を置く総合建設業者。
ICT(i-construction)施工を先駆けて積極的に実践し、担い手不足や専門技術の習得の難しさといった近年の課題の解決や、測量による3Dデータを活用した安全で確実な施工を実現し続けています。
また、2022年1月には「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けた取り組みとしてSDGs宣言を行っています。